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北陸旅行記 黒部ダム編

扇沢駅にてチケットを購入。アルペンルート内を通じて使用できるチケットが一万円弱で購入できる。

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まず乗車するのが関電の運営する電気バスで、15分ほどかけて長い長いトンネルを通過する。今は感染対策ということで窓が開け放たれており、トンネル内の湿った冷たい空気が流れ込んでくる。正直、かなり寒い。

名作『黒部の太陽』でもトンネル工事最大の難所として描かれた大破砕帯を通過すると富山県に入る。トンネルは今でも大量の地下水が流入しており、浅い水溜まりを切り裂くようにバスは進む(実は、黒部の太陽、見たことありませんが………。俺は、水系の恐怖がマジで嫌いなので……。ディズニーシーの海底二千里ですらムリです)。

そうこうして地下の黒部ダム駅に到着し、地上へ通じる200段の階段を上ると……

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ダム、でっかいね~~~!!人間、ちっちゃいね~~~!!

俺は、デカい建造物が好きで、日本各地の巨大仏も好きだし、この前は瀬戸大橋のふもとまでチャリで行って疲れすぎて死にかけた。黒部ダムも、ブラタモリで見て以来ずっと行きたかった場所なので、今回の旅行の目的は三割くらい果たされたといえる。ダム、あまりに迫力がありすぎる。


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一面の自然や、何の気なしの人間の生活のなかに突如として現れる巨大な人工物は、強烈な違和感を俺たちに与えるし、それこそ人間のエゴの象徴のようにも思えてしまう。

バベルの塔を建設して神の怒りに触れた2000年前から俺たちはなにも変わっていない。変わっていないどころか、バベルの塔を再生産し続けて、少しでも世界を手中に納めようとしている。

確かに、このダムの巨大さを目の当たりにすれば、俺たちは自然を支配することが可能なのかもしれないと思えてくる。トンネルが貫通するまでは容易に踏み込むことすらできないような秘境に巨大なダムを造り上げられたのだから、俺たちには何でもできるような気がしてくる。

だが、少し視点を変えれば。


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北アルプスの山々はその何百倍もでかくて、そんな山の縁をちょっと塞き止めて水溜まりつくって自慢気になってる人間がバカらしくも、思える。

人間の営みは、ちょっとした水溜まりを作ったり、空に向かってほっそい針を建てるくらいのことしかできないのに、それを意識することもせず万物の霊長を気取っている。

巨大な建造物たちは、かえってそのことを俺に教えてくれる気がする。だから好きだ。

大開発の時代を終えて、自然との付き合い方を考えなくてはならない今こそ、かつての大開発の成果を目の当たりにする必要がある気がする。その上で俺たちが生活していることを意識しなくては。


↓味わい深すぎるケーブルカーのりばf:id:team-hanagami:20200903144118j:imagef:id:team-hanagami:20200903144125j:image

何十人も死人を出して文字通り命懸けで作られた道を数千円払えば気軽に通り抜けられるの、すごいっすね。そういえば、ダムの資料室みたいなところで、(仕方ないことだが)やたらダム建設を美化していて、それはどうなんだろ、と思った。建設を急かす国ぐるみのパワハラとか、死人すら厭わない危険な工事とか、そういう前時代の価値観によって造られたものだということを一ミリくらいは思い出す必要もあるかもしれない。