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新時代のポップ・マエストロ、ナナヲアカリ


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音楽が金にならない時代らしい。

おれの周りでも、ちゃんとCDを買ったり借りたりして音楽を聴いてるやつはものすごく少ない。

誰もがYouTubeなんかでMVを観て、それで満足して終わってしまう。

そのことを批判するつもりはないが(実際おれもそうだし)、創る側からしたら困った話だとは思う。MV止まりだと困るから曲を動画サイトに上げないってするとそもそも知ってもらえる機会が激減するしショートverのMVしか上げないとコメント欄が荒れるし...

現行のアーティストたちは「売れる」音楽を模索し続け試行錯誤を繰り返さなければいけない。 

 

そのような時代が始まろうとしていたゼロ年代末期、「ポストYouTube時代のポップ・マエストロを自称し、売れる音楽のありかたに対し普遍的価値観を提示したバンドが相対性理論だ。

1stアルバム『シフォン主義』は邦楽シーンにおいて相当にエポックメイキングな作品だったし、(彼らの持つ音楽性の一部を特筆して考えても)Vo.やくしまるえつこのダウナーかつ「乙女」な歌唱とキャッチ―な音作りの融合は間違いなく発明だった。

YouTube時代を生き抜くには、圧倒的なインパクトとキャッチ―さが必要だと明確に示したのだ。

 

しかしながら、「ポストYouTube時代のポップ・マエストロ」が提示した音楽のありかたも極めて流動的な邦楽シーンの中で消化されすでにそれだけでは物足りないものになってしまった感は否めない。

邦楽リスナーはどこまでも貪欲で飽き性だ。

 

 

そんな中、相対性理論の強烈なフォロワーでありながらポストYouTube時代で着実に成功を収めているアーティストがいる。

 


ディスコミュ星人(Discommunication alien) / ナナヲアカリ

 

ナナヲアカリ。

相対性理論とは別ベクトルのあざとらしさを、彼女はかなり高いレベルで実現している。

4つ打ちリズム、耳に残る繰り返しのフレーズを取り入れたサビ、流行を捉えた毒々しい色使いのMVなど、明らかに最近の「売れ線」を意識した曲作り。

相対性理論的サウンドを昇華させた「くせになるファニーで毒っ気のある」歌唱。

そしてサブカル女子受けしそうな世界観!

こんなん売れないわけないやん!!というか売れろ

 


マンネリライフ(boring life) / ナナヲアカリ

 

Kawaii。 

ボカロやアニソン界隈まで引き込めそうな「萌え」の要素も惜しげなく採用している。ここまで属性をマシマシにしないと今の邦楽はやっていけないのか…

一見すれば所謂「歌い手」のような活動を行っている彼女は「バンドみたいなソロアーティスト」を目指しているらしい。

ニコニコ動画ユーザーのようなライトなリスナーと、邦楽ロックリスナーの双方を意識したような「堅い」曲作りの成果が、いまのナナヲアカリなのだ。

 


私の中の痛い子さん / ナナヲアカリ

 

邦楽ロックを超えてサブカルチャー全域にまでヴァリアブルな音楽性を示す力が、ナナヲアカリにも備わっているとおれは信じてやまない。

 

 

ネクラロイドのつくりかた

ネクラロイドのつくりかた

  • アーティスト: ナナヲアカリ,和田たけあき(くらげP),梨本うい,バルーン,Neru,はるまきごはん,ナユタン星人
  • 出版社/メーカー: ナナヲアカリ
  • 発売日: 2016/12/05
  • メディア: CD
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