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北陸旅行記 立山、ガスヤバすぎ編

黒部ダムを出ると、ケーブルカー、ロープウェイ、トロリーバスを乗り継ぎ標高2450mの室堂平へ向かうことになる。

エヴァみてーなケーブルカー。エヴァみてーな、と言っておきながらどのシーンでこんなんが出てきたのかいまいち覚えてない。
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↓うっすらと見えるのが、ロープウェイのロープ。上の方に見える一番デカい山が立山連峰の最高峰、雄山(だと思う)。めちゃくちゃ雲が出ているのが気になるが……
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トロリーバスの駅を出るとそこはもう高山帯で、地上より10℃以上気温が低い。時間帯にして丁度正午ごろだったが、気温は20℃台前半だった。室堂平は立山連峰登山の入り口であるだけでなく、遊歩道や温泉、山小屋やホテルなどの宿泊施設まで備えた観光拠点でもあり、ガチの登山装備の人からサンダルの観光客まで入り乱れている。

そして………………


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ガス(視界1km以上を もや、視界1km未満を 霧、高い所にあるものを 雲、と分けていますが山ではこれらは渾然一体となり、いちいち1km未満だ、以上だと測っていられないので

総称として目に見えて視界を白く遮るものを「ガス」を用いています←https://gamp.ameblo.jp/takanamitaichi1230/entry-12178759604.htmlより引用)ヤバすぎ!!!!な~~~んも見えん。

しかも、コロナのアレで飯を食える場所が全て閉まっていた。おい!!ここだけ閉めてもバスとか動いてんなら意味ないだろ!! 

 

しばらく待っていたらだいぶ晴れてきたので行動開始。陽が差すとけっこう暑いかもしれない。写真正面の峰が立山登山の主役、雄山で、多くの登山客の目当てだが、自分は登山の装備をしていないので行きません。行けません。

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今回俺が行くのは室堂平周辺のトレッキングコースで、事前の情報によればそれこそサンダルで歩けるくらい舗装された道らしいが、

果たして。

↓一年の殆どが雪と氷で閉ざされる北アルプスで、高山植物が花をつけるのは夏のほんのわずかな間だけ。すごいな、こんな場所でも生命を継ごうとするやる気が。

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↓映画おおかみこどもの雨と雪でも有名なミクリガ池。水面はものすっごい深い青緑色だった。もっと晴れていれば水面に雄山が綺麗に反射して見えたらしいが…
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↓相変わらずガスが晴れないが、高山帯で高い木々が全くないのもあって眺望は凄まじい。左上にみえる灰色の線が山崎カールという氷河の痕跡だと思うんだが、違うかもしれない……
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↓上の写真から視線を下げると、火山性ガスが絶えず噴出する地獄谷で、近年はガスの濃度が上昇し過ぎたため通行が禁止されている。硫黄のにおいがすっごい。この辺りから、観光客の姿は少なくなり登山装備の人が増えてくる。俺はこのまま地獄谷を迂回して歩くルートで、登山道に入るギリギリまで歩いた。

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↓地獄谷迂回ルート。道はすごく歩きやすいが、風向きが変わって地獄谷から風が吹く度に息が出来なくなるほど濃い火山性ガスが流入してきて、それがヤバすぎ。鼻の奥が痛いし、深く息を吸えん。マジでヤバくなったら濡らしたタオル口に当てとけって看板がそこら中に立ってて、足元にはマジのマジでヤバくなった時用のガスマスクが置いてあった。こわ。

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↓下に色とりどりのキャンプ村が見えて、多くの登山客がここから上がってきていた。ここから先は登山道っぽいし、これ以上下がると後で辛くなりそうだったので撤退です。
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多くの登山客に囲まれながらスニーカーで歩いていて思ったが、絶対ちゃんとした装備の方が楽しいな!!うっすら感じるアウェー感もさることながら、山道を歩く快適さとか、山にいる正統性みたいなものも保証される気がする。こういうのは、気分が大事だから。

こんどはちゃんとした装備でリベンジしたいな!雄山も登りたい。マジでそう思った。

思えば、登山という行為は、なんというか、一人でいることがもっとも正当化されるものだと思う。一人でいることが赦されていながら、例えばすれ違うたびに挨拶をするわけで、日常生活の中での他人のレベルが一段階さがるというか、ひとつの大きくて緩やかな共同意識みたいなものが登山客の間で形成される心地よさというか、そういうものも登山のよさかもしれなくて、そう考えれば登山というのは(ひとりでやる限り)かなり俺みたいな人間も許容する懐の深さがあるのかもしれない……などと思った。

北陸旅行記 黒部ダム編

扇沢駅にてチケットを購入。アルペンルート内を通じて使用できるチケットが一万円弱で購入できる。

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まず乗車するのが関電の運営する電気バスで、15分ほどかけて長い長いトンネルを通過する。今は感染対策ということで窓が開け放たれており、トンネル内の湿った冷たい空気が流れ込んでくる。正直、かなり寒い。

名作『黒部の太陽』でもトンネル工事最大の難所として描かれた大破砕帯を通過すると富山県に入る。トンネルは今でも大量の地下水が流入しており、浅い水溜まりを切り裂くようにバスは進む(実は、黒部の太陽、見たことありませんが………。俺は、水系の恐怖がマジで嫌いなので……。ディズニーシーの海底二千里ですらムリです)。

そうこうして地下の黒部ダム駅に到着し、地上へ通じる200段の階段を上ると……

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ダム、でっかいね~~~!!人間、ちっちゃいね~~~!!

俺は、デカい建造物が好きで、日本各地の巨大仏も好きだし、この前は瀬戸大橋のふもとまでチャリで行って疲れすぎて死にかけた。黒部ダムも、ブラタモリで見て以来ずっと行きたかった場所なので、今回の旅行の目的は三割くらい果たされたといえる。ダム、あまりに迫力がありすぎる。


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一面の自然や、何の気なしの人間の生活のなかに突如として現れる巨大な人工物は、強烈な違和感を俺たちに与えるし、それこそ人間のエゴの象徴のようにも思えてしまう。

バベルの塔を建設して神の怒りに触れた2000年前から俺たちはなにも変わっていない。変わっていないどころか、バベルの塔を再生産し続けて、少しでも世界を手中に納めようとしている。

確かに、このダムの巨大さを目の当たりにすれば、俺たちは自然を支配することが可能なのかもしれないと思えてくる。トンネルが貫通するまでは容易に踏み込むことすらできないような秘境に巨大なダムを造り上げられたのだから、俺たちには何でもできるような気がしてくる。

だが、少し視点を変えれば。


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北アルプスの山々はその何百倍もでかくて、そんな山の縁をちょっと塞き止めて水溜まりつくって自慢気になってる人間がバカらしくも、思える。

人間の営みは、ちょっとした水溜まりを作ったり、空に向かってほっそい針を建てるくらいのことしかできないのに、それを意識することもせず万物の霊長を気取っている。

巨大な建造物たちは、かえってそのことを俺に教えてくれる気がする。だから好きだ。

大開発の時代を終えて、自然との付き合い方を考えなくてはならない今こそ、かつての大開発の成果を目の当たりにする必要がある気がする。その上で俺たちが生活していることを意識しなくては。


↓味わい深すぎるケーブルカーのりばf:id:team-hanagami:20200903144118j:imagef:id:team-hanagami:20200903144125j:image

何十人も死人を出して文字通り命懸けで作られた道を数千円払えば気軽に通り抜けられるの、すごいっすね。そういえば、ダムの資料室みたいなところで、(仕方ないことだが)やたらダム建設を美化していて、それはどうなんだろ、と思った。建設を急かす国ぐるみのパワハラとか、死人すら厭わない危険な工事とか、そういう前時代の価値観によって造られたものだということを一ミリくらいは思い出す必要もあるかもしれない。

 

 

 

北陸旅行記 長野編

8/29早朝、大阪発の夜行バス、長野着。

長野市内の早朝営業の温泉施設(普通の銭湯だと思っていたら、マジの温泉だったのでその分得をしたということになる。朝っぱらだというのに、多種多様なジジイでめちゃくちゃ混んでいた。外は誰もいなかったのに。これは告発ですが、脱衣場のロッカーを鍵かけずに使ってるジジイがかなりいます。ロッカー開けたらジジイの衣服が二連続であってビビった。いいのか?俺が鍵かけたらジジイ全裸で立ち尽くす羽目になるが。もう毎日通ってると、防犯意識とかそういう次元じゃなくなってくるのかな)で身支度を整え、再び長野駅に戻る。往復一時間近く歩いた。車社会……

今回は厳密に予定を組んだはずなのにもたもたしていたらまたしてもバスに乗り遅れかける。午前8時、急いでチケットを購入しギリギリで長野発扇沢行の高速バスに乗り込む。土曜日だからか、思ったよりも乗客は多い。

それにしても、昼のバスはいい。夜行バスという閉鎖された奴隷船と違って外の景色が見れるから。そこには旅情しかない。遠くの山々には入道雲がどこまでもかかっていて、今年になって初めて、夏を実感する。

バスはあっという間に山道を駆け抜け、うとうとしてる内に始まりの地、扇沢へ。

午前10時、扇沢駅着。かなり涼しい。地上とはまったく別の気候だということがよくわかる。

写真、撮り忘れた。

立山黒部アルペンルートの始点として有名な扇沢駅はかつては鉄道駅であったが、今ではは関西電力の営業する電気バスの発着場となる自動車駅だ。長野県側からアルペンルートに入るにはこの駅を利用する他ない。俺は当初岐阜県から扇沢駅へ向かう予定だったが、感染予防と利用客の現象によって全面運休が続いている。恐らく、現状関西地方から公共交通機関扇沢へ向かうには長野もしくは松本経由以外のルートはないはずだ。

北アルプスの長野県側と富山県側を結ぶ長大な山岳観光ルートである立山黒部アルペンルートは一帯が国立公園に指定されており、一般車両の通行が禁じられているため、通り抜けるには様々な特殊な交通機関を用いることになる。

その間2000メートル以上の高低差があり、黒部ダムをはじめとした様々な景勝地が点在する(ちなみに、扇沢駅の時点ですでに標高1500メートル弱)。もちろんガチの登山家なら己の脚で踏破することも可能であるが、交通機関が隙間なく整備されているため山道に一切入ることなく雄大飛騨山脈の景観を楽しむことができるので、観光目的の旅行客も多い。俺もその一人だ。

今回俺は贅沢にもアルペンルート上の高地にあるホテルを予約しているため、一日かけてゆっくりアルペンルートをまわることができる。予定では、明日午前にかけてアルペンルート富山側出口である立山駅へ向かうつもりだ。

それでは。

 

 

北陸旅行記 前日譚②

8/29午前1時。依然、バスは長野へ向かって爆走中。

車内はゴビ砂漠より乾燥している。外し忘れたコンタクトレンズを外して、やたらとでっかいリュックから眼鏡を取り出す。なんでこんな頻繁に使うものが一番奥の奥に格納されてんだよ。

今回の旅行はちょっとしたハイキング的なことをする予定で、俺はリュック的なカバンを一切持っていなかったから実家から送ってもらった。ちょっとしたリュックサックみたいなものを想像していたら、ガチの登山家が持っている"ザック"が届いてウケた。これ、「縦走」とかするやつが持っているデカさじゃん。全然知らんけど。

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夜行バス、いつも横浜の実家に帰ったり、東京に向かったりするときに使う路線だと、大体の時間感覚が染み付いていて、自分がいまどこにいるか時計を見ればおおよそわかるんだが、長野へ夜行バスで向かうのは初めてだったから、余計に時間が長く感じられる。深夜3時から4時までは、無限と全く同じ時間だ。マジで、空いていてよかった。ディスタンス…………

①でも色々と書いたが、夜行バスは視界がないから、色々なことを考える。このキメ~~独り言も、夜行バスのせいで生まれた文章に違いない。てか、暇すぎて無限に書いてしまう。そういえば、この前に書いた小説も夜行バスがテーマだった。よかったら読んでください。

https://note.com/god_arrow_jian/n/na437800b0b5a

 

そうこう言ってる内に、朝6時。バスは長野駅へ。かれこれ長野駅も3度めの訪問で、なんとなく土地勘がつき始めている。

早朝の街、驚くほど涼しい。誰もいない善光寺表参道を歩く。この街は、長野駅善光寺を繋ぐ線上に発展している。

俺は、この街はそこそこ好きで、めちゃくちゃありきたりな表現でアレなんだが、単純に空気が澄んでいる気がする。それは、マスク越しでもわかるくらい。標高が高いことが大きいのだろう。

それにしても、山がものすごく近く感じる。こういった盆地の中で生きることは、こんな山々と生活を共にするということで、それは、多分、俺には想像し得ないような繊細な機微をともなって生きることかもしれない。

俺は、それに無邪気に憧れみたいな感情も抱くが、端から見れば都会人が何を言ってるんだと思われるだけかもしれない。

まあ、たまにはいいだろ。

夏の、終わりくらい………

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早朝、長野駅。めちゃくちゃ涼しい


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駅から10分歩けばこの景色で、地方都市の自然は思ったよりも近い。

北陸旅行記 前日譚①

こんにちは。皆さん旅行は好きですか?俺はけっこう好きです。

ただ今、旅行の真っ最中ですのでその記録を残したいと思います。

もちろん、社会的情勢に配慮して種々の感染症対策を万全に期しての旅行ですので、そこんとこ、よろしくお願いします。

8/28深夜。長野行き夜行バス車内。時期のせいか、それともソーシャルな距離感のせいか、車内にほとんど人がいない。いつも4列ぎちぎちに詰まったバスばかり乗ってきたから、これは、ものすごく快適だ。いつもは遠慮して開けないスマホも、見放題だ。

隣の座席は、もちろん空席。もちろん、一人での旅程だ。友だちとレンタカー借りたりして、カーステレオをガンガンにかけて、バカみたいに騒ぎながらする旅行もそこそこ好きだが、俺は精神の根っこからネクラなので、一人旅も同じくらい好きだ。一人旅なら、好きな音楽を好きなだけ聴きながら旅行できるし、休みたいときに好きなだけ休めるし、食いたいもんだけ食えるから。人間は、誰にも気を遣わない状態が最も自然だ。

というか、自粛期間を経て、俺はますますネクラになった気がする。あらゆることが、完全に、一人でいいな、これ……という実感がめちゃくちゃ強くなっている。人は、一人でも生きていけるのかもしれない。俺の周りの人間関係は、ますます洗練されている。

そういうこと言ってると、「でも寂しくないの?」とか言われそうなんだが、寂しさとは、他者から認められることによってしか自己肯定できない人の感情だと思うので、俺は自分で自分を肯定しているし、何よりインターネットがあるので、寂しさとかそういう感情はないです。これすごい言い訳がましくなってるので、やめときます。

しかし、一人でいると色々と思考が複雑化して頭が狂ってくるという実感も、同時にある。俺のやっているなんとか観測会とかいうクソサイトでも、俺の頭のおかしくなっているようすがつぶさに観測できる。いや、俺以外にも少しだけ書いてくれてる人がいるんだから、クソサイトはよくないな。うんちサイトくらいかな。そういえばついさっきも記事が更新されていた(「自律した個人」は考えないhttp://www.yakantsuyoguchi.xyz/?p=263)ホントに、こんなうんちサイトに記事を書いてくれる人には感謝しかない。サンガツ

このまえ数少ない友だちと話していたときに、「すぐに主語がでかくなる奴はマジで狂う一歩手前。お前はすぐに社会の構造の話しかしないからもう狂い始めている」と言われたが、マジでそうかもしれん……でも、身の回りの問題がものすごいミニマルなことか、ものすごい極大のことしかないので、そうなるのも致し方ない気もする。

だから、最低限の社会との関わりとして、バイトを続けていてよかったと思う。気づけば、俺はバイトリーダーみたいなこともやらされている。今日も、バイト後そのままJR大阪駅のバスターミナルへ行った。

俺は、JR大阪駅を利用した回数とJR大阪駅で迷った回数が全く同じなので、今日もバスに乗り遅れかけて、最悪だった。何なんだ。大阪駅って、地下街だけでひとつの都市になっているから、地上とは別物と考えた方がいいかもしれない。

8/29、午前0時半。バスは滋賀県のサービスエリアへ。財布だけもって、バスを降りる。アスファルトのじとっとした固さを靴底に感じると同時に、軽油の臭いが湿っぽい空気に乗って流れ込む。サービスエリアのにおい。

知らん地名だ……と思いながら入り口を眺める。


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いや、いきなりステーキの主張つっよ!!!!!!!!!!

おわり。