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そこそこのファンから見たルルーシュが復活した感想

こんにちは。普通にブログを書いた人です。

 

好きなアニメを挙げろ、と言われて僕が挙げるとすると「無限のリヴァイアス」「スクライド」「ガン×ソード」と、谷口悟朗監督作品が並ぶくらいには普通に著しく好きです。監督としてなら一番好きなのかも。ただ、別に「ワンピース」まで遡るとかそういうレベルのファンじゃないので、悪しからず。

 

去る日、「復活のルルーシュ」をみてきました。これでもかというくらいファン向けの要素を詰め込みつつ、ジルクスタンという敵を軸にまとめた作品。以降はネタバレはあまりありませんが、一応注意。

 

ジルクスタンの姉弟ルルーシュとナナリーの関係の写し鏡みたいな存在で、いくらでも絡められそうなのに一切触れられないんですよね。あの国の境遇の描写も最小限で、鑑賞後に思い出すスパイスくらいの比重。

 

姉シャムナはどうすれば国を救えたのかー、とか。弟シャリオのKMF操作にはどんなシステムがあったのかー、とか。指示を待たれるルルーシュと予知を求められるシャムナの責任とか。考えれば説明だけで時間を裂けそうだけど、それは計算の上削られたんだと思います。

 

この映画は非常に計算の上で作られていると思います。本気で『反逆』の続編をやると尺が圧倒的に足りなくなる。この映画では何が重要なのか?言うまでもなくファンへのサービスが第一だったのでしょう。

 

映画を観る前にずっと頭に残っていたのは最新の『劇場版 遊戯王』。あれも『コードギアス』に似た部分があって、ファンが続編における主人公(この場合闇遊戯)の復活について議論していましたね。どちらも言うなれば消えて綺麗に終わったわけですから、復活するとなるとそれは冷静でいられない。まあ、ルルーシュはそもそも生存していたか否かでずっと議論はされてきましたが。

 

遊戯王』は蓋を開けてみれば、序盤にフェイクを混ぜつつ、肝心の「復活」は最後の最後に、色んなファンへ対応した絶妙な「復活」を見せてきた。あれは本当に綺麗だったと思います。『遊戯王』にしかできない、まさに名シーン。

 

一方で『ギアス』は、そういった情緒はない。正直そっちの方がドラマチックだとは思うんです。今回の最初のルルーシュと他キャラとの邂逅は割と偶発的で、ドラマ性に欠ける部分はあった。ただ、やはり逆説的に今回見せたかったのはファンサービス、ルルーシュと他キャラの絡みだったんじゃないかと。僕も全容を把握できないレベルで外伝に至るまでキャラクターが出ていましたね。

 

監督のインタビューに少し目を通すと、今回の『ギアス』はやはりシリーズものとしての土台作りの意図があって、「復活のルルーシュ」というか「ルルーシュの復活」がまず最初にあったんじゃないでしょうか。それを前提にした肉付けが、ファンサービスという要素。そしてその中でも重要だったのはC.C.との約束と関係性の決着。2時間で描くための取捨選択が非常にされたんじゃないかなと邪推してしまいます。

 

ファンサービスは物語作りにも反映されていて、ルルーシュ復活時の煽りと決戦時の頭脳戦の勢いが僕は大好きでした。ギアスらしさというか、傲慢な貴族を煽って自滅させる箇所は気持ち悪いくらいニヤニヤしてしまう。

 

そして、最終決戦のギアス対ギアス。『ギアス』が人気アニメになったのは、ロボットだけではなくギアスによる能力バトルもあることによる、受け皿の広さもあるでしょう。ロボ好きとしては世知辛いけれども。

 

さっきシリーズの土台作りなんて言いましたが、僕は『アキト』を全部見たんですよ。CGのバトルは最高峰だと今でも思ってるし、雰囲気もとても好きなのですが、いかんせん舌戦だとか能力バトルだとか結構『ルルーシュ』の受けた要因が抜けているのが痛いなとも感じていました。これからシリーズが続くかわからないですが、その再確認のようなものなのかも。

 

ぶっちゃけルルーシュのギアスもチートなので、相手にも相応のチートが求められるのですが、今回もなかなか。未来を知った上でやり直せるのはループもののそれなので実にあれも主人公格の能力です。ルルーシュも「早くない?」と思うくらいあっという間に打ちのめされてしまいますが、復帰後にひたすらルルーシュがハイテンションで打ち破るカタルシスルルーシュのあの頭の良さは破茶滅茶なチートなんですけど、演出も相まって勢いが気持ちよすぎる。

 

野暮ですが、あのギアスの良いところは限られた尺の中で味方の快進撃と苦戦を同時に見せられるところですね。カレンとスザクの新KMF(?)はシャムナのギアスじゃないと充分活躍させられなかったかも。

 

あと観てて懐かしさを感じたのはルルーシュのダークヒーローっぷり。一般人にギアスをかけるの、完全に人道に悖っているんですけど、そういうのって娯楽って感じしますね。デスノートとかが流行ったのも、「悪人の名前をノートに書いて裁く」ってとてつもない快感だったってのもあるでしょう。

 

ちょっと逸れますけど、ああいう「大事なこと」と「大事じゃないこと」が割とはっきり決まってる主人公は魅力的ですよね。ルルーシュの場合は「めちゃくちゃ大事なこと」があると書いた方が正しいのか。ルルーシュは言うまでもなくナナリーですけど、それ以外のことは二の次。前述の破壊の快感に近いものがあるというか、普段気にしてしまう倫理や人道をいざという時無視していく。初めからそんなものはないんだとばかりに邁進する姿は主人公然としてるな、と。

 

自分もつらつら書いてきましたが、普通に『ギアス』が好きだったので、ロボット、能力バトル、懐かしいキャラたちの活躍が観れてめっちゃ興奮してました。

 

あとは最後のアレですね、全編通してC.C.がもう一人の主人公って感じねした。この映画で僕はC.C.をかなり好きになれたし、元から好きだった人とかはもう感涙ものなんじゃないかなぁ。

 

最大公約数っていうとちょっと冷たい印象になってしまうけど、今の時代「公式」でありながらファンサービスができるのは非常に気を使っているし、ありがたいなとも思います。ギアスらしさの集合ということは、ギアスの面白さが2時間にぎゅうぎゅうに詰まっているということでもありますし。